3月9日(木) 工房ストロー体験(@真室川町)

藁細工の体験ができるということで、真室川にある「工房ストロー」にやってきました。 この工房ストローは、やまがた雪文化マイスターの髙橋伸一さんが主宰しています。 どんなものができるのか楽しみです。 作業部屋に入ると、たくさんの藁細工が置いてありました。 虫かごとして作成されるものを、照明としてアレンジしたものや ボトルケース、深靴という雪の上で履ける靴など様々な作品があります。 元々農家を営んでいる家が冬の作業として、生活必需品を藁で作り始めたのが藁細工なのだそうです。

藁細工体験スタート

髙橋さん指導の下、藁細工体験スタートです。   下準備として、藁をお湯に浸けて柔らかくします。 まずは「しおり」の制作にチャレンジです。 集中して、藁を編んでいきます。 何とか「しおり」の形になりました!! 次は、少し難しい「猫」に挑戦です! 作業に集中して、少し静かな時間が流れます。 髙橋さんに手伝ってもらいながら、なんとか完成! 可愛らしい猫が三匹できました。     工房ストローでは雑穀米の販売や様々なところでワークショップを行っているそうです。 農業をやりながらも精力的に活動されている、髙橋伸一さんにお話しを伺ってみました。 Q.藁細工を始めたきっかけは何ですか? 髙橋さん:うちの場合、牛もいてお米も作っていて、牛には餌として藁をやらなきゃいけないんですね。 牛の寝床も敷き藁なんです。あとは、季節の行事とかに藁で何か作って神様にお供えしたりだとか、お正月の飾りを作ったりだとか、それらも全て藁だったので、小さい頃から藁に触れる機会があったことがそもそものきっかけかなと思います。素材は1本の藁だけども、作る人の手によって色んなバリエーションがあるというのが1つの魅力ですね。そのバリエーションに、自分の創意工夫で更に色んなものを作っていけるのが面白いところです。   Q.この藁細工作りというのは、農家の方だと冬のお仕事になるんですか? 髙橋さん:そうですね。雪のある季節は家の中で手仕事をするということになりますね。今は色んな仕事があって兼業で勤めに出てる人もいるんですけれども、やっぱり昔は自分で1年間使う履きものや着物、あとはロープだったりとかを全部自分で作っていました。お米を入れる俵を自分で作らなきゃいけなかったから、それを冬の間に皆で作るというのが雪国の山形の暮らしそのものじゃないかなと思ってるんです。昔はコンバインが無いから手で刈って、藁も全部乾燥させて、それを全部家の屋根裏部屋とかに取っておいて、冬の間は藁を下ろして藁細工作りをしていたという風に聞いています。 Q.これからどういう風に活動を続けて行きますか? 髙橋さん:私は農家なので、藁細工だけじゃなく農業もしていきたいと思っています。藁細工の材料というのは農業の中から出てくるものなので、雪の無い時期は外で楽しく農業をやっていきたいし、その中で出てきた材料を使って冬は藁細工を作っていきたいですね。自分だけで作っていても広がりがないので、こういった形で誰かに教えていける場を作って、色んな方に楽しさだったり美しさだったり、昔の技術の素晴らしさだったりを伝えていけたらなと思っています。 藁細工は、雪国ならではの発達した文化だと思っているので、この雪国の山形で伝えていければと思っています。関心のある方は是非、チャレンジしていただければなと思っているので、色んな機会に出向いてやっていきたいなと思っています。

▼ こちらの動画もご覧ください。 動画「第4回 工房ストロー」

山形県真室川での今回の藁細工体験は、雪もちらつく空模様でしたが、終始あたたかい空気に包まれていました。それは、高橋さんがご家族ぐるみで迎えてくれたことや、藁に囲まれた空間が昔なつかしい日本の風土を感じさせてくれたからだと思います。 真室川で農業をしながらも、古いものをきちんと伝え聞いて、新しい要素も取り入れながら次の世代に繋いでいこうと、試行錯誤しながら取り組みを行っている髙橋伸一さん。様々な場所でワークショップを開催しているそうなので、エコやリサイクルといった視点からも注目できる藁細工を、皆さんも一度体験してみてはいかがでしょうか?