雪にまけないまちづくりセミナーを開催しました
豪雪地帯の山形県では、毎年、除排雪作業中の事故により怪我をされたり、亡くなられる方がいらっしゃいます。
雪害事故をなくすためには、どのような取り組みが有効なのか。
雪対策を、実際に事故に遭われた方の経験をお聞きしながら考えてみるためのセミナーを、11月8日に山形県で実施しましたので、その模様をレポートします。
セミナーでは、最初に、雪害事故対策に詳しい、弘前学院大学社会福祉学部の高橋 和幸教授から、「県内の雪害事故分析と対策について」講演いただきました。
高橋先生からは、県内市町村ごとの雪害事故発生状況をみて、減少傾向にある市町村で行われている対策をまとめた調査結果を紹介いただきました。
要援護者への雪下し補助等は多くの市町村で行われている一方、アンカーの設置啓発や、ヘルメット・安全帯といった安全装備の貸出等は浸透しておらず、今後の検討が必要な分野となっています。
次に、ケーススタディとして、実際に事故に遭われた経験者の方にもご参加いただき、事故の原因や対策について意見交換を行いました。
進行は、高橋先生と一緒に県内の雪害事故の現状について調査された、克雪対策づくりアドバイザーの二藤部 久三様です。
お話によると、事故の大きな要因は「焦り」や「情報不足」。
別の住宅の雪下ろしの予定があり気持ちが焦っていたり、引っ越しや回収により屋根の環境が変わっていることを把握していなかったり・・・
雪下ろしの担い手が不足するほど、このような事故が起きやすくなることも予想されます。
事故後の対策としては、アンカーを設置し、命綱を固定できる環境を整えたというお話や、消融雪設備を設置し、屋根に上がらなくて済むようにしたというお話が聞かれました。
アンカーや消融雪設備県内の普及にはコストも課題となりますが、地域により設置の補助制度も設けられています。
また、二藤部アドバイザーによると、このような設備を導入された方は、どの製品が自宅に適しているのか、情報収集を重ねてから設置されているとのこと。
山形に暮らす方たちに、このような情報をわかりやすく届けられるような発信も大事だということがわかりました。
高橋先生、二藤部アドバイザ―様、事例提供いただいた方々、大変ありがとうございました。