いきいき雪国やまがた推進県民会議
いきいき雪国やまがた基本条例の制定
豪雪県である本県では、市町村と連携しながら、これまでも克雪・利雪・親雪の各種施策に取り組んできましたが、近年、短期集中的な降雪(ゲリラ豪雪)の頻発や、平成30年2月の国連世界観光会議の本県開催など、これまでにない動きが台頭しております。
こうした動きを踏まえ、雪に対する県の姿勢を明確にし、行政の取組みに加え、県民や産業界、関係団体などの参画・協働を進め、雪に関する施策の充実・強化を図るため、東日本で初めての総合的な雪対策の条例「いきいき雪国やまがた基本条例」を平成30年12月に制定しました。
今後、この条例に基づき、雪に強いまちづくりや自助・共助・公助による総合的な除排雪の推進に加え、雪の利活用による産業振興や地域活性化などに積極的に取り組んでまいります。
日時:平成28年11月25日(金)13:30~
場所:村山総合支庁2階講堂
吉村知事の「今こそ、地方創生の時代。『雪国やまがた』として、何ができるかを考えないといけない」とのあいさつに続き、事務局より、資料に基づいて本会議創設の趣旨や、取組みの方向性について説明しました。
その後、構成団体の代表者より、本会議の取り組みの方向性について、意見をいただきました。
・降雪に伴い、雪に対するマイナスイメージが強い中で、雪をプラスに考えて、雪の利活用・観光資源も含めて、官民が一体的に取組みを進めていくのが大切。
・地域除排雪体制の強化、除雪担い手の確保に向けて、さらに努力をしていきたい。
・海外において、山形は、「雪の名所」として認識されており、冬のインバウンド(訪日外国人旅行)に強みがある。「冬場観光」という山形の強みを理解して、国外に売り込んでいく必要がある。
・企業にとっても、雪と関わることがコストではなく、付加価値に変えていく必要がある。雪の付加価値をビジネスの利益や企業のイメージアップにつなげる取り組みが大切。
・スノートレッキングなどの雪に親しむ活動を進めていく上でも、冬山の危険について理解することなど、安全対策が重要である。
・若者が雪に関わる機会や、雪を切り口として地域づくりについて語り合う場を設けるなど、企画を工夫していくことが大切。
・冬期間においても、子ども達が時間を気にすることなく、外で仲間と遊ぶ場づくりは大切。冬こそ遊び場にはもってこいの季節。そこに地域コミュニティも生まれ始めている。
・豪雪地域に住む人は、雪にマイナスイメージを持つ一方で、降雪の少ない地域に住む人はプラスイメージを持っているなど、雪に対する意識の温度差は確かに存在する。感性が柔軟な子ども時代に「遊雪」や「楽雪」を教える必要がある。
以上のような議論を踏まえ、目指す姿や取り組むべき方向性について、認識を共有し、最後に、「いきいき雪国やまがたづくり」の基本的な理念として、「いきいき雪国やまがたづくり宣言」が採択されました。
日時:平成29年11月6日(月)10:30~
場所:県庁2階講堂
事務局より、平成29年度の冬における取組み(雪害事故防止キャラバン出発式の開催、雪の利活用セミナーの開催 等)について説明しました。
その後、構成団体の代表者より、御意見をいただきました。
・人口減少、少子高齢化の進展で、マンパワーだけでは除雪が厳しくなっていく。技術革新が必要不可欠。除雪の技術開発・普及(融雪装置の低エネルギー・低コスト化)に期待したい。
・雪害事故は大雪の後が多い。「雪下ろし・落雪事故防止注意喚起情報」は山形県が全国に先駆けて実施した取組み。是非、テレビやラジオを活用して、住民に伝わりやすいように周知してほしい。
・雪国への転入者等は冬の暮らし方に戸惑ってしまい、冬はインドア傾向となる。「やまがた雪文化マイスター」がどんどん増えて、地域に身近な存在となれば、転入者等の不安を取り除けるのではないか。
・雪氷熱エネルギーの導入拡大、雪を活かした農産物の高付加価値化の取組みを推進してもらいたい。
・いきいき雪国やまがたウェブサイトについて、インバウンドに対応するため、多言語化を行ったらどうか。
日時:平成30年6月18日(月)10:30~
場所:県庁2階講堂
事務局より、①いきいき雪国やまがたづくりに向けたこれまでの取組みについて、②雪条例(仮称)の制定について等の説明を行いました。
説明後、構成団体の代表者より、御意見をいただきました。
・冬期のイベント等雪の利活用を展開しており、プラス思考で地方創生に取り組んでいくことが重要である。
・除雪ボランティア活動は、参加者と地域の交流や、地域内の世代間交流の観点からも推進していくことが必要である。
・冬期間の教育旅行の誘致を進めているところであり、蔵王や坊平などの冬の中核となるところの人材を「やまがた雪文化マイスター」に登録し、教育旅行で活用できるようにしていくことが必要である。
・物流や雪の利活用の基盤として、インフラ整備は引き続き必要である。
・県外企業は雪に対する抵抗感があり、雪のマイナスイメージを変えるアプローチが必要である。
・雪害事故防止の注意喚起は、雪害が多く発生する時期の直前に集中して行うなど工夫の余地があると考えられる。
・雪上トレッキングやスキー、又は雪に親しむイベントなどの体験活動を振興していくことにより、県民の外遊びや交流を促進させるとともに、雪国対する愛着や誇りを育むことが必要である。
・雪害事故の防止のためには、中高生を除雪ボランティアとして活用しながら、子供たちに雪の危険性を教える必要がある。
・基盤整備した上で、福祉の充実やインバウンド拡大に繋げる発想は賛同する。プラス思考で雪を活用した地域振興に取り組んでいくことが必要であり、雪条例の制定には期待したい。
・各界各層が目指すべき目標を共有しながらこれまで取り組んできたところであり、もう一つ取組みのステージを上げるため、条例制定の姿勢には賛成する。
日時:令和元年8月29日(木)10:30~
場所:山形県建設会館
事務局より、①県民会議設置要綱の改正、②H30冬の取組みについて、③現行の雪対策基本計画等に基づいた取組みの成果等、④新たな雪対策基本計画等の方向性(案)について説明を行いました。 説明後、構成団体の代表者より、御意見をいただきました。
・市町村にとって、道路除排雪をはじめとした除雪費の財源確保は課題。一昨年の豪雪の時は、除排雪対応(財源の確保)が大変だった。
・県外者が持つ、雪国山形に対するマイナス・イメージを払拭するためには、安全安心な交通網の確保を実現することが必要。
・雪害に関する注意警報については、携帯やスマホへ通知するなど、もっと直接的で、きめ細かな情報発信ができないか。
・市町村では、要援護者世帯を対象に、屋根の雪下ろし作業等を支援しているが、高齢化の進行もあり、限られた予算で継続して支援ができるかが課題。
・除雪ボランティア活動は、除雪だけでなく、活動する地域の住民との交流を目的として実施するべき。
・子供に雪への親しみ方を伝えるには、教育現場をはじめ、暮らしの中で雪の遊び方を伝授することや、遊び場を保証することが必要。
・最近は、小中学校においてスキー授業を取り止めるところもある。教育現場に、スキー授業の必要性を理解してもらうような対策が必要。
・韓国や台湾のインバウンド観光客、国内の雪の少ない地域からの方達へ、雪室や、雪室を使った食べものを紹介すると、大変喜んでもらえる。
・技術イノベーションを進めるためには、産官学連携しかない。個々の企業や大学による取組みや、学術研究、ニーズやシーズを幅広く集めることが必要。
日時:令和2年1月30日(木)13:30~
場所:山形県自治会館
事務局より、①山形県雪対策基本計画(第4次)素案の概要、②山形県雪対策アクションプラン素案の概要について説明を行いました。説明後、構成団体の代表者より、御意見をいただきました。
日時:令和2年11月16日(月)10:30~
場所:山形県庁 講堂
事務局より、いきいき雪国やまがたづくりに向けた取組みについて説明を行いました。説明後、構成団体の代表者より、御意見をいただきました。
・間口除雪等、高齢者や要援護に対するさらなる支援が必要。
・雪の大変さが地方で生活する際のマイナスイメージとならないように情報発信する必要がある。
・災害レベルの大雪、ゲリラ豪雪等、有事に備えて日頃から関係者との連携を進める必要がある。
・冬期間の観光誘客が人気。樹氷の再生をぜひ。
・事業者にとって冬場の活動は大切。雪に強い社会インフラの整備が必要。
・企業にとって雪対策は一つのビジネスチャンス。イノベーション関係の取組みの中に、周知徹底や販路拡大なども盛り込むとよい。
・研究者を対象とした意見交換会や研究費用の支援制度などがあれば、直接的な技術イノベーションにつながっていく。
・県と連携を深めて事故防止のために協力していきたい。
・子どもたちは雪で楽しむことを心待ちにしていて、計画の趣旨にある雪に親しむライフスタイルの基礎・基盤ができているのではないかと感じる。
・外遊びは感染リスクも低く、精神的にも健康にもよく、コロナ禍だからこそ良さを発信してもいい。
・雪を楽しむ活動機会は大切だが、豪雪地帯に住む住民にとっては、克雪・苦雪といったマイナスイメージを持っている人がほとんど。
・新型コロナウイルスの感染防止対策について課題が多い。
日時:令和3年11月4日(木)10:30~
場所:山形県庁 講堂
事務局より、いきいき雪国やまがたづくりに向けた取組みについて説明を行いました。説明後、構成団体の代表者より、御意見をいただきました。
・ 間口除雪や高齢者・要援護者世帯の除排雪等、きめ細かな取組に対するさらなる支援が必要。
・ 県道の歩道除雪の出動基準が町道における出動基準と差があるという声がある。
・ 雪の大変さが地方で生活する際のマイナスイメージとならないように情報発信する必要がある。
・ 地域住民同士での支え合いが難しくなってきているなかで、雪国技術イノベーションのような取組みは共助・互助の部分で重要な取組み。
・ コロナが収束してきたなかで、山形でも樹氷をはじめとした外国人の方が魅力と感じる国際戦略に動き出していただきたい。
・ 首都圏との往来の観点から、冬場の交通対策は必要。
・ 融雪装置はなかなか普及が進んでいないので、啓発が重要。
・ 学生は除雪ボランティアに関心がないわけではないが、相談先や雪かきの装備がよくわからないところがある。そうした情報や支援があればよい。
・ 今後のイノベーションは、省エネの観点から熱源とセットで考えることで、技術開発の流れに乗れるのではないか。
・ 雪に親しんでもらうためには、ローカルな部分も知ってもらえるような取組みがあればいい。
・ 冬でもふらっと遊びにいける場所の情報が欲しい。
・ 地域の点在する組織をコーディネートしてくれるところがあるとよい。
・ 雪文化マイスターはすばらしい取組み。引き続き掘り起しができればいいと思う。
日時:令和4年11月28日(月)14:00~
場所:村山総合支庁本庁舎 講堂
事務局から、いきいき雪国やまがたづくりに向けた取組みについて説明を行いました。
説明後、構成団体の代表者から、御意見を頂きました。
・ 豪雪の年は、国に対して除雪経費の追加要望をお願いしたい。
・ 空き家が増加しているため、国に対して空き家の利活用に係る更なる財政支援を要望してほしい。
・ 新型コロナウイルス感染症の影響により、都市部から地方への関心が高まっている。山形県を移住地として選んでもらえるように、雪にマイナスのイメージを持たれないような情報発信をしてほしい。
・ 除雪の担い手が減少する中、広域除雪ボランティアの受入れ等、共助の部分で県と協働していきたい。
・ 新型コロナウイルス感染症の影響により、イベント等が行えない期間が2、3年続いたが、今年から本格的に復活させようという動きがある。
・ 首都圏との移動の最大の課題である、福島・米沢間のトンネル整備の検討について、次期県アクションプランに盛り込んではどうか。
・ 電力料金や原油価格の高騰については、除雪・融雪等にも関わってくるため、県雪対策基本計画には、当該内容も盛り込んでいく必要があるのではないか。
・ 学生の除雪ボランティアについて、研修の機会を設けたり、有償ボランティアという形で支援するなどし、地域貢献に関心のない学生でも取り組む仕組みをつくる必要がある。
・ 雪国技術の研究を通して、企業へ技術面で貢献していきたい。
・ 災害に強い農業をつくるという観点から、雪に耐性のある農業用ハウス、施設、技術の開発・普及が必要。
・ 昨今、雪の降り方が変化してきているため、降雪に関する情報発信を強化する必要がある。
・ 雪は北国の魅力的な資源の1つなので、多くの子ども達に伝えていきたい。
・ 雪文化マイスターは良い取組み。登録だけでなく、活躍する場をコーディネートすることが重要。
・ 自分が住む雪国の魅力を体験するような機会を設けることで、雪国やまがたの魅力を子ども達に理解してもらいたい。
日時:令和5年11月27日(月)14:30~
場所:やまぎん県民ホール スタジオ1
事務局から、いきいき雪国やまがたづくりに向けた取組みについて説明を行いました。説明後、構成団体の代表者から、御意見を頂きました。
・ 道路除雪においては、県道と市町村道の一部交換等、効率的な体制をとっていただいているが、通学路や交差点の見通しの確保についてもお願いしたい。
・ 夜中から除排雪作業にあたっている方や、自分では除雪ができない方への支援にあたっている方など、冬の住民生活を守るために献身的に取組んでいる方に焦点を当てていってはどうか。
・ 各商工会では管内の事業者が降雪による災害発生時の対応をあらかじめ考えておけるよう、BCPの作成を支援している。
・ 雪国における車の自動運転について、山形県での実用化が遅れをとることのないよう、最新技術へのアンテナを高くはっていただきたい。
・ 効率的な除雪の支援策として、除雪スマホを様々な交通機関に搭載し、リアルタイムで雪の画像を集め、それをAI分析する研究が始まっている。
・ 住民の高齢化が進んでおり、間口除雪等、きめ細かな対応がさらに必要となっている。
・ 学生等の除雪ボランティア活動の推進においては、どのような方にどこまで作業をしていただくのか、例えばガイドラインを作る等、安全にボランティアをしてもらえるための対策を考えていく必要もあるのでは。
・ 集落内の日常の除雪の担い手については、雪以外も含めた集落機能の維持全般をほぼ同じ方が担っていると思うので、集落機能の維持に対するきめ細やかな施策対応が重要。
・ 都市部を対象とした雪体験ツアー等、実際に来てもらうと雪国の生活に対する固定概念も変わるのでは。
・ 蔵王の樹氷復活に向けて、時間を要する取組ではあるが、県民の皆様、関係機関の御協力をお願いしたい。
・ 雪を厄介者ではなく魅力あるものとして捉えられるような取組が重要。
・ 技術イノベーションによって子ども達が雪かきを楽しめることを目指した取組として、雪かきのスコップに重さを測るセンサーをつけ、アプリと連動させることで、「あなたは自由の女神くらいの雪をかきました」のようにゲーム感覚で行えるスコップの開発研究が進んでいる。
・ 情報サイト「いきいき雪国やまがた」について、多くの方に見てもらえるよう、周知や掲載情報を充実していっていほしい。
・ 冬に雪遊びができる場所の情報を親子に届けられるようなツールがあると良い。
・ 除雪の仕方やコツを教えてくれるような場所や情報があれば、雪に慣れていない人も山形の暮らしをより前向きに過ごせるのではないか。
・ 雪は危険と隣り合わせのイメージもあるが、何でも作ることができる、遊び道具としては最高の資源。もっと気軽に子どもが雪と触れ合える場所があると良いし、そういった情報を必要な方に届ける仕組みも大切。
いきいき雪国やまがたづくり宣言
すべての県民が安心して暮らし、雪国ならではの文化や雪まつりなどを楽しみ、
国内外から多くの人々が訪れる「いきいき雪国やまがた」を創り上げていくため、
以下の取組みを進めます。
雪の持つマイナス面を受け止め、協力し支えあいながら、雪とともに暮らしていきます。
先人が育んできた雪国の豊かな文化や精神性を誇りに思い、未来に向けて磨き上げていきます。
雪を地域の魅力や資源としてプラスに捉え、雪国ならではの産業振興と地域活性化に繋げていきます。